読売ボランティアセンター
読売ボランティアセンターは、事業団が運営する朗読や点訳のボランティア団体の拠点です。目の不自由な方に役立ててほしいという元女優の山路ふみ子さんの寄付をもとに1991年、東京都豊島区目白に開設されました。2グループの拠点となっており、2020年には同区南大塚のテナントビルの一室=写真=に移転しました。家賃などを事業団が負担しています。
団体の一つは「点訳サークル・ウィズ」(江上久美子代表)で、一般図書のほか、劇団のプログラムなどの逐次刊行物の点訳もしています。もう一つは、朗読グループ(平野朋子代表)で、読売カルチャー荻窪の福祉朗読講座の修了者らが、月刊「中央公論」などの定期刊行物のほか、利用者からのリクエストにも応じて録音図書(DAISY図書)を製作しています。
同センターは2002年の第51回東京都社会福祉大会で、ボランティア社会福祉協力団体として表彰されました。
2グループの活動についてのお問い合わせは同センター(電話03-5396-8965)へ。年末年始・祝日などを除く火曜~土曜の午前10時~午後4時にお受けします。
点訳グループの活動
点訳サークル・ウィズは読売カルチャー荻窪、北千住の点訳養成講座修了生が始めた会で、1988年、IBMが視覚障害者への情報提供のために始めたプロジェクト「点訳ひろば(現サピエ図書館)」の会員となりました。センター開設に合わせて入居、2023年6月現在、24人が活動をしています。センターではパソコンでの点字入力、校正、発送などの作業をしています。
サピエ図書館に登録した図書は1046人(2022年度)が利用しました。一般図書のほか、逐次刊行物も作成しています。点字版年間公演予定表もその一つで、人気がある11劇団と提携し、各劇団のチラシを年2回点字で提供しています。うち3劇団は最寄り駅からの送迎、介助者1人分のチケット代無料、イヤホンガイドなど、視覚障害者の観劇環境の改善に取り組んでいます。ウィズでも22年度から、これに付随して劇評、演劇や映画にまつわるコラムを点訳し、希望者50人に年2回無料で送付しています。月刊誌「NHK短歌」の点訳は21年度から始めました。サピエ図書館にもアップし、オンラインで毎月10人ほどに読まれています。
江上代表は「逐次刊行物はスピード感を持って、点訳、校正、打ち出しをする必要があります。俳句、短歌などは特に読みが難解で大変な作業ですが、楽しみに待っていて下さる方々を目に浮かべながら頑張っています」と話しています。
朗読グループの活動
朗読グループは、故・元NHKアナウンサーの森川靄子さんが、センター開設の1991年に立ち上げた視覚障害者のための録音図書を製作する団体です。2023年6月現在、71人の会員が7グループに分かれ、各自、自宅で音訳などの作業をし、センターではDAISY図書の送受信など処理を交代で行っています。
製作しているのは、雑誌5誌(NHKきょうの健康、季刊福祉朗読、明日の友、中央公論、ラジオ深夜便)のほか、広報誌(としまボランティアセンターだより)、会報誌(声の会報ぜんじんきょう、SSKAあぁるぴぃ)、個人から依頼のあった図書などで、DAISY図書は再生専用機やパソコンで聴くことができます。より質の高い録音図書の製作を目指し、年間10回の勉強会で研鑽を積んでいます。講師は元NHKアナウンサーの山田敦子さんです。
高齢者福祉施設での朗読奉仕活動もしています。事業団が運営する「花ハウスすみれ館」(川崎市多摩区)への訪問はコロナ禍のため中止していますが、「菊かおる園」(東京都豊島区)への訪問は23年度から再開し、入所者の方に喜んでいただいています。
※朗読グルーブのホームページはこちらから
(https://ym-hikari-roudoku.jimdofree.com/)