子ども学生

虐待防止に母親支援のMY TREE プログラム(2013年06月)

 児童養護施設の退所者などのアフターケア相談所「ゆずりは」(東京都小金井市)は、読売光と愛の事業団・こども支援基金の助成により、子どもに手をあげたり、無視してしまったりする母親の相談に乗り、気持ちをコントロールする方法を教える「MY TREE(マイツリー)ペアレンツ・プログラム」を首都圏の母親を対象に実施しています。4か月間、13回のプログラムをやりとげた参加者からは、「自分と向き合う時間が持て、子どもへの暴言・暴力をやめることができた」「怒りの原因に気づき、子どもをいとおしく思えるようになった」など感謝や喜びの声があがっています。

 児童虐待が大きな社会問題になっていますが、虐待してしまう親へのケアが大切なことに着目し、「ゆずりは」は2013年から、10人程度の小集団で子育てに関する悩みや不安を語り合い、みんなで支えあいながら、子どもへの気持ちの伝え方や、怒りをコントロールする方法を学ぶ心理教育的プログラムを始めました。米国在住の森田ゆり氏によって開発され、木や太陽からも生命力をもらうイメージで進められるのが特徴で、感情や身体、理性、魂などすべてに働きかけます。

 参加者は、20代から40代ぐらいの母親で、子ども時代に不適切に養育されたり、夫や義母との関係が悪かったりで、心の傷やストレスを抱えている人が目立ちます。変わりたいという同じ志を持った仲間と会を重ねるうちに、自分の気持ちを素直に出し、怒りの裏に潜む心の傷や行動の間違いに気づき、リフレッシュし、自分自身や子ども、その他の人たちも尊重できるように変わっていきます。
 「ゆずりは」の高橋亜美代表は「子どもは、手を上げる母親に変わって欲しいと願っていますが、プログラムの実践を通し、母親には変われる潜在的な力があり、実際こんなに変われるんだと、身を持って感じています」と話しています。

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