養護施設の高校生11人が奨学生に 読売新聞社で採用式(2019年03月)
児童養護施設などから大学や専門学校へ進学する高校生の学費を給付する「読売光と愛・郡司ひさゑ奨学基金」の21回目の採用式・交流会が3月20日、読売新聞東京本社で行われました。
今回は応募者73人の中から作文の審査などで選ばれた奨学生11人(男子3人、女子8人)のうち、10人が出席しました。出身地域は、北海道1人、東北1人、関東4人、中部1人、近畿3人、九州1人。希望進路は、男子が介護福祉士、児童養護施設職員、プロダンサー、女子が学術研究者、食品開発者、税理士、看護師、美容師、ホテルマン、動物看護、韓国文化交流の仕事とさまざまです。奨学生には授業料などの学費として年間60万円を上限に支給します。
採用式で事業団の明石雅幸事務局長が「施設を出てからは、強い気持ちを持つことが大事。今までは周りの人たちが面倒をみてくれたと思いますが、社会に出れば、1人で頑張れということになる。そういうことも想定して勉強してください」と激励しました。続いて審査員で全国社会福祉協議会児童福祉部長の岩崎香子さんが来賓としてあいさつし、「皆さんの作文を読ませてもらいました。書いたものは残ります。もしこれから不安になった時には、作文を読み返してあの時にどんなことを考えていたのかを思い出せば、また元気になります」と話しました。この後、奨学生にはひとりひとり明石事務局長から認定証を手渡されました。
32階のレストランで行われた昼食会には、事業団理事で審査員を務める野村吉太郎弁護士も駆け付けて励ましの言葉を送り、談笑しながら食事をしました。奨学生たちは緊張した面持ちで自己紹介し、志望理由や将来の抱負を語りました。プロダンサーを目指す男子生徒はバレエの振り付けも見せてくれました。
この後、奨学生たちは東京駅に移動して都心部を90分で巡回するはとバスツアーに参加。二階建てのバスの中から、東京タワーや、ブランドショップが並ぶ表参道、渋谷のスクランブル交差点などを見て回り、桜の開花間近な東京の春を楽しみました。