読売・郡司ひさゑ奨学生6人が卒業(2023年03月)
児童養護施設や里親家庭の出身者の進学を支援する「読売・郡司ひさゑ奨学基金」の奨学生は今春、21期3人、23期3人の計6人(男性1人、女性5人)が大学等を卒業しました。就職先が決まらなかった1人を除き全員が就職し、それぞれ、機器の設計製造会社のエンジニア、ペットホテル運営会社のスタッフ、介護施設の職員、介護施設の生活支援員、病院の栄養士として働き始めました。一方、22期1人、24期2人の計3人が通学していた学校を中退・除籍などとなり、奨学生の資格を失いました。
卒業報告はこちら.pdfからご覧になれます。
動物に関わる仕事に就く夢をかなえた女子学生
動物に関わる職業に就きたいという夢をかなえたのは、首都圏の児童養護施設出身で、動物の飼育や看護を学ぶ東京都内の私立大学を卒業した女子学生=写真左=で、4月から埼玉県内のペットホテルの社員として働き始めました。主な仕事は、ホテルスタッフとして、車でのペットの送迎や預かったペットの世話ですが、ドッグトレーニングのサービスもあり、大学で学んだことを生かしていずれはそうした仕事もしたいそうです。大学では、ウォーキングや呼び戻し、芸などのトレーニングを学びましたが、トレーニングで罰を与えることは犬の心にとっても、学習の効率のためにも用いるべきではないということを痛感したそうで、「そうした正しい方法を通じて、飼い主や犬に心から信頼してもらえるスタッフになりたい」と卒業報告で語ってくれました。また、コロナ禍で学生時代の前半は、実習以外はほとんどオンライン授業となり、なにかと苦労も多かったそうです。後輩に向けては自身が学生時代に大きな不安を覚え、1人で抱え込んでしまったが、出身施設の職員に相談したことで解決したことを挙げ、「自分1人で悩まず、信頼できる人に頼ることが大事」とアドバイスしてくれました。