奨学生から近況報告 コロナ禍でも頑張る姿(2020年10月)
児童養護施設の高校生の進学を支援する「読売・郡司ひさゑ奨学基金」の奨学生32人と、東日本大震災の被災者を支援する「復興支援大学等奨学金」の奨学生4人の計36人から、近況報告が届きました。今年度は、新型コロナウィルスの感染予防策として、入学しても通学出来ずに対面授業が出来ない状況が続きました。報告からは異例の事態に戸惑いながらも、頑張っている奨学生たちの姿=写真下、自宅でのオンライン学習=が伺えます。郡司の奨学生の報告の一部を紹介します。
大阪府内の私立大学に進学した女性は、授業はオンラインで始まり、友達も出来なかったため、「大学生になったという実感もなく、本当にこのままでいいのかと考え込んでしまうことも多々ありました」と報告。千葉県内の私立大学に進学した女性も「6月後半からストレスが溜まって体調を崩すことが増えました。相談できる人が見つからず、とても心細かった」と心境をつづっています。この女性は、オンラインでの授業が秋学期も継続となったため、地元に戻ることにしたそうです。
アルバイト先が休業となり、働くことが出来なかったとう報告もありました。千葉県内の短大に通う女性は3年生になりましたが、3~5月は働けず、6月に再開したものの、あまりシフトに入れずに辞めてしまいました。東北地方の専門学校に進学した女性はアルバイト先が見つからなかったそうです。
そうした苦しい状況の中でも、いろいろ工夫をして気分転換をしているようです。四国の私立大学に進学した男性は、当初は多くの時間をパソコンの前で過ごしたせいで落ち込んだものの、「マスクをして人通りの少ないところを散歩して元気を出しました。『病は気から』と言いますが、その逆も然り」と報告。神奈川県の私立大学に進学した女子学生は、もともとインドア派でパソコンに向かうのはそう苦にならないといい、地元の新聞社が主催する短編小説大賞に応募する作品を執筆しています。同県の公立大学に進学した女性は、6月から大学の部活動も再開され、週2日は卓球で汗を流しています。
復興支援大学等奨学金は今年度で最後に採用した4人が卒業するため、支給も終了しますが、郡司ひさゑ奨学基金は今後も継続します。頑張っている奨学生を支援するためにご協力をお願いします。