第12回読売療育賞・敢闘賞に5施設決まる(2016年10月)
重症心身障害者施設の優れた実践研究を表彰する「第12回読売療育賞」(読売光と愛の事業団主催、重症心身障害療育学会協力)の受賞施設が決まりました。敢闘賞(助成金30万円)には、「はんな・さわらび療育園」(群馬県高崎市)、「聖母療育園」(千葉県旭市)、「聖隷おおぞら療育センター」(静岡県浜松市)、「愛徳医療福祉センター」(和歌山市)、「医療福祉センターきずな」(兵庫県加西市)の5施設が選ばれました。最優秀賞は該当施設がありませんでした。10月14日に熊本市内で同学会のメンバーによる審査が行われ、同日の学術集会で表彰されました。
はんな・さわらび療育園の「口腔ケア方法の見直しによる歯肉増殖の軽減」の研究では、口の中を清潔に保つ口腔ケアの方法を見直すことによって、歯肉が増えるのが抑えられたことが報告されました。てんかんなどの症状がある30~59歳の5人の利用者を対象に、歯科衛生士が立ち会って、歯磨き粉を使わずに歯の間や歯肉の境目を小刻みにブラッシングしたり、粘膜や舌の掃除を徹底したりしたところ、12ヶ月後には歯肉肥大や出血などに改善が認められたということです。てんかんの治療薬には歯肉肥大の副作用が出るものがあり、こうした口腔ケアを続けることで歯肉肥大を抑制できると期待されています。
【その他の受賞施設の研究内容】
聖母療育園 : 「五感刺激を用いた集団活動の試み」
聖隷おおぞら療育センター : 「横地分類Aの適応行動による階層化」、「非完全閉じ込め状態の児の保育」
愛徳医療福祉センター : 「揺らしを用いた運動療法が重症心身障害児(者)の体幹可動性に及ぼす影響」
医療福祉センターきずな : 「重症心身障害児・者における眼口連合運動についての研究」
敢闘賞を受賞した施設の発表者