第11回読売療育賞・最優秀賞に聖隷おおぞら療育センター(2015年11月)
重症心身障害者施設の優れた実践研究を表彰する「第11回読売療育賞」(読売光と愛の事業団主催)が決まりました。最優秀賞は、人の声やさまざまな音に対して入所者がどのような反応を示したかを調べた「聖隷おおぞら療育センター」(浜松市北区)で、記念の盾と助成金50万円が贈られました。助成金30万円が贈られる敢闘賞には、東日本大震災を経験した「福島整肢療護園」(福島県いわき市)、「みちのく療育園」(岩手県矢巾町)、「エコー療育園」(仙台市)の3施設による共同研究のほか、「あしかがの森足利病院」(栃木県足利市)、「やまびこ医療福祉センター」(鹿児島市)が選ばれました。
聖隷おおぞら療育センターで研究をまとめた生活支援員の松本悦子さんは「日常の業務に自主的な研究を並行して行うのは、両立が大変でしたが、努力が認められてうれしい」と受賞を喜びました。他に研究に携わったのは、冨田道子さん、田口結実さん、川上恵さん、看護師の堀内純子さんの4人。
重症心身障害者は、発達の段階により聴覚に差があり、5人は入所者それぞれが声や音に対して、どのような反応を示すかに注目しました。研究では、重い知的障害と身体障害を併せ持つ1~82歳の入所者82人を対象に、施設で生活する様子を観察しながら、障害の程度によって異なる声や音に接したときの反応をまとめました。その結果から、聴覚からの刺激や情報に対する入所者の受け止め方の違いを評価する表を作りました。
研究の成果について、田口さんは「入所者が日々の生活で、声や音の刺激をどのように感じているかを理解することで、生活支援員がより適切な対応ができます。入所者の生活の質が高まってくれれば」と話していました。
【入所者について話し合う「聖隷おおぞら療育センター」の研究メンバー】