岩手県大船渡市の福祉作業所に500万円を助成(2015年02月)
読売光と愛の事業団は、岩手県大船渡市で障害者就労支援施設を営む一般社団法人「かたつむり」に、海産物加工品などの商品開発や商品加工に必要な設備購入費500万円を助成しました。助成を受け「かたつむり」は、付加価値の高いオリジナル商品を開発・販売するため、缶詰などを手軽に作れるミニレトルト釜、卓上型缶詰巻き締め機、真空包装機、電気乾燥機、食品のスライサーやカッターなどを購入しました。
新設備を利用して昨年末から、陸前高田市のオリジナル品種米「たかたのゆめ」の精米真空パック商品の受注・納入を始めたほか、三陸産ワカメ、佃煮、リンゴなどの加工オリジナル商品の発売を検討しています。販路も広がっており、利用者の工賃アップにつながりそうです。
「かたつむり」は、障害児(者)を家族に持つ大船渡地域の20家族が、育児の情報交換や相談のため2001年に始めた親の会。2007年からは、古いアパートを借りて活動拠点とし、缶やペットボトル、古紙の資源回収に取り組むなど地域に貢献してきましたが、東日本大震災で作業所は跡形もなく流出。メンバーは離れ離れになりました。
しかし、陸前高田市の福祉団体の支援・協力を受け2011年9月、同市の高台で活動を再開。その後、大船渡市の元活動拠点の近くに土地を確保し、県内外からの支援を受けながら、自分たちでプレハブの仮設作業所を建て、2013年4月に法人格を取得して「かたつむり」を再スタートさせました。再スタート時の利用者は14人でしたが、口コミで評判が広まり、1月現在、大船渡市や宮城県気仙沼市を含む周辺市町から23人が通っています。
利用者は日々、電気部品の組立・加工やカタログ等の封入作業、復興支援グッズの製作・加工、イベント会場での飲食物販売、食用ほおづき栽培、リンゴやワカメの生産・加工などに取り組んでいます。
「かたつむり」の大西智史常務理事は、「今の作業所は被災地区の仮設物件のため、数年以内に移転新築が必要。資金に余裕がない中、今回の助成のおかげで、さまざまな事業展開の可能性と希望が開けました」と話しています。
助成金で購入したミニレトルト釜や缶詰巻き締め機
販売を始めた「たかたのゆめ」の精米真空パック
作業に取り組む「かたつむり」の利用者のみなさん