支援の実績

震災流失の作業所再建を助成―宮城・女川町(2013年08月)

 東日本大震災による津波で建物が流出し、通所者2人が行方不明になった宮城県女川町の障害者就労支援施設「きらら女川」の作業工房が7月下旬に完成し、2年4か月ぶりに再開しました。再建費用約6000万円のうち、500万円を当事業団が助成しました。

 NPO法人きらら女川は2010年12月、町内で唯一の障害者就労支援施設として活動を開始。かりんとう製造会社を営む理事長の阿部雄悦さんから技術指導を受け、施設に通う障害者が商品を製造、販売してきました。当初4人だった通所者は、活動が評判となって震災前には11人に増えたため、魚市場に近いビル1階の店舗を新たな作業拠点として借り、引っ越したのが2011年3月11日の午前でした。

 移転の数時間後、施設は津波に襲われ、骨組みを残して全壊、帰宅していた通所者2人が犠牲に。残った9人の通所者は住まいと仕事を失い、阿部さんの会社は操業不能となりました。被災後、松原千晶施設長らが再建のため全国に支援を求める一方、用地探しに奔走しましたが、平地が少ないこともあって難航。高台の住宅地にあった約1000平方㍍の空き地をようやく確保したものの、建築資材や人手不足もあり、竣工は予定より3か月以上遅れました。

 新工房では、女川町と石巻市の20-60歳代の男女13人が、20種類以上のかりんとうやパンの製造・販売等を始めました。中でもパンは「やっと出来たてのパンが女川でも食べられるようになった」と大好評。また、工房隣りに移築・改修中のプレハブ施設は、地域住民の集会所として開放される予定です。松原さんは「全国の皆さまからご支援、励ましをいただいた賜物。利用者だけでなく、地域の皆さんが触れ合える場所に育てていきたい」と話しています。

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                              完成した「きらら女川」の新工房と松原施設長

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                              工房内で作業する通所者のみなさん

kirapan.JPG                              焼き立てがおいしいと好評のパンやおから入りかりんとう

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